第一科 日本画

成田 環なりた たまき

会員

母子

230×163

作家のことば

 私は、昭和十六年生まれ、初めての記憶は、黒い艦載機が頭上を山伝いに通った爆音と、高く青い空の中を音も無くキラキラ光るB29の形から始まる。父はとうちゃん、母はかあちゃんの世界で育った。毎日毎日朝から晩遅くまで、仕事仕事で、母に抱かれた記憶など一度も無かった。八十二歳になりこの絵の様な姿は今だに憧れだ。