第一科 日本画

東京都知事賞

古澤洋子ふるさわ ようこ

会員

地球のドラマ

176×224

受賞理由

 宇宙と地球を前にすれば人間の営みとは何とちっぽけなものか。地層の時間の流れとその圧倒的な大きさに、人間はしがみつくように生きている。それを天空からいつもと変わらぬ姿で月が見降している。古来美術のテーマの一つである有限と無限の対比が盛り込まれている。
 画面の主役は地層の横縞で、縦に走る岩のひだが画面に厚みを生んでいる。各地層はしわを寄せたマチエールや墨流しの表現など様々な技巧が用いられ、画家の技術の確かさを感じさせる。

作家のことば

 地層を目にすると、縞模様の美しさとそれが積み重ねられてきた地球の歴史を記録していることに感動します。線と線の間には一つの時代がありました。全てが平行な線ばかりではなく、湾曲したものや不均衡な模様を見ると、一体この時代に地球上ではどんな壮絶なことが起こったのだろうとそのドラマの推測に引き込まれます。