池田睦月
特選
いのち赫く
194×194
受賞理由
黒地に赤が観る者に鮮烈な印象を残す。背景を省略し、鶏頭を写実的に描写する点に琳派以来の日本画の伝統を感じる。花の生命感と枯れかけの葉の持つ死のイメージは、そのまま赤と黒の対比にもつながる。
作家のことば
自宅の庭に咲いた鶏頭です。奇妙な形ではあるけれど、実に個性的で、そのどれもが唯一無二の姿形であるところに、この花の魅力を感じます。
葉が枯れても、種がこぼれても、なお赤々と、凜と立ち続ける姿に、私もかくありたいと思うのです。