星川登美子ほしかわ とみこ

会員

失われた世界へ

作家のことば

　稲妻の神殿を造り栄えた、マヤとの繋がりも言われるメキシコ湾岸の遺跡、自然を神とあがめ深い祈りを捧げたであろうこの地から、忽然と人々が消えたという、干ばつや都市国家間の争いであろうか。
　その遺跡を訪ねた時、そこを祭祀に使用したトトニカの末裔という人が通り過ぎた。一瞬古代が蘇ったような感を覚えた時であった。