児島新太郎
会員
待宵
F130
作家のことば
[待宵や しびれまじなふ草は何] 千代女
満月を待つ夜は、待ち遠しさにしびれをきかせ、神仏に祈るように月を待ちわびる。そのしびれを無くすような草は無いものか、と詠まれた待宵。そこには、煩悩が消えて月の光のような静かな境地に至る「月愛三昧」の心境を求める姿が重なる。
現代の満月も、変わらず望月と呼ばれて人を照らす。歓喜の光を望む想いは、時が流れても移ろうことなく続いていく。