日展会員賞
宮坂慎司
会員
singing figure Ⅴ
167×47×38
受賞理由
両手を上げて歌う女性像である。その姿をトルソという形式(胴体を中心とした表現)で表わし、体幹のみで人体の躍動感を実現している。衣文(えもん)の描写も秀れている。上半身の衣文の直線と下半身の衣文の曲線との対比がトルソをより大きく見せている。量塊性(りょうかいせい)の豊かな人体表現として際立っている。
作家のことば
「存在感の輪郭」を形にすることを試みている。例えば、歌うように踊る人。その姿に意識を向ける時、舞う衣が対象自身の個性を表す瞬間がある。ハンガーに掛けられている時には無機質なドレープも、人が纏い、内側から押し出され、動きが与えられる時、存在の外殻のように見えることがある。それに触れるべく形にした作品。