第四科 工芸美術

織田定男おだ さだお

特選

深層の情景

〔漆〕 65×78×20

受賞理由

 圧倒的な漆の技術を駆使し、色漆のグラデーションと、凹凸の金箔で構成された形体は、ダイナミックで神秘的な深い海の見事な表現である。その中にグリーンの螺鈿を配した水平ラインは、静寂さえも感じさせる秀作である。

作家のことば

 幾重にも重なる記憶の奥底のある、いつか見た風景、想像の風景、理想の情景なのか、それを自らの記憶から掘り起こす様を具現化した。
 郷土富山の深い海や爽やかな山並みの風景を具体的なイメージとして、ブルーを基調とし、漆芸作品の持ち味を意識して制作した。
 木彫素地に漆呂色で仕上げた。