第五科 書

土橋靖子つちはし やすこ

理事

冬ごもり

かな 70×230

作家のことば

 万葉集の長歌を題材にしました。
 書簡のように卒意的に、また自然な高揚と沈着をおおらかに表現したいと念じましたが、書くほどに意識が先行し、残念ながら願う方向から離れていきます。
 計算を超えた「出来た」と思える、野趣のある書を近頃は目指しています。

冬ごもり春さり来れば朝には
白露置き夕には霞たなびく
風の吹く木末が下にうぐひす鳴くも