第五科 書

真神巍堂まがみ ぎどう

理事・審査員

漢字 60×180

作家のことば

 私が作品制作に最も時間を費やすのは詩文(漢詩)の選定です。それもその内容(文意)にはさほどこだわりはありません。少字数の場合には自分の意にそぐわないものは別として長文も含めてそのポイントは字面です。字面の良い詩文を見つけた時は半ば作品が完成したのに等しいぐらいに影響力の強いものです。
 作品の縮尺に合わせた画箋紙に草稿を重ねますが、いざ実際の制作にはそれ程多くの枚数を使用しなくなりました。今回も詩文を決定してからは五、六枚目の作品を出品しました。年令の積み重ねのお陰ですかね。

暑氣曉來淸 時時聞遠鶯 還思故園路 松下綠苔生