第五科 書

清水透石しみず とうせき

会員

小庭

かな 230×70

作家のことば

 今回は、大字かな作品としては多字数による構成を試みた。鑑賞者には、かな美を伝えると共に歌意も理解し易く、又作品にめりはりをと願って必要部分には漢字を平安古典より集字した。
 若山牧水の歌集「くろ土」より三首、よくも悪くも兎に角自分全体として或るものが漸く筆を通して紙上に働き出した気がする。

ひんがしの朝焼雲はわが庭の
黍の葉末の露にうつれり
わが小庭たふれて咲ける雞頭も
散りこぼれたる萩も久しき
(以下略)