第五科 書

文部科学大臣賞

有岡陖崖ありおか しゅんがい

会員

僧善住詩

漢字 90×168

受賞理由

 全体的に筆力と変化に富み、豊かな表現に成功している。それぞれの文字が、筆圧・筆速を自在にコントロールして複雑な表情を見せるのみならず、文字の大小や傾きを工夫して、白地の美しい行間を生み出す章法も見事である。冒頭より落款に至るまで、リズムの良い筆運びを追うのが楽しい。現代的な作品に仕上っている

作家のことば

 筆が持つ変幻自在な表現を可能とする特質性を生かすべく線の強弱、太細、造形面では文字の大小変化、筆速の緩急、墨の潤渇など様々な表現手法をもって立体性に富む作品に仕上げたく試みてみたが、果たして功を奏したかどうか鑑賞者の方々の目に委ねたい。

偶随流水去 閒趂白雲歸 步石苔侵屐 攀松露滴衣