第五科 書

日比野博鳳ひびの はくほう

会員

浮雲

かな 70×236

作家のことば

 書が「言葉」を取り扱うことに、書き手はもっと敏感であるべきだと思う。反面、気韻が生動し、一作から受ける瞬発力や躍動感を最重要課題として、書き手は取り組まなくてはならないとも思う。文学作品を書くのではなく、抽象絵画を描いているのでもない。書でしか表現出来ないこととは何なのか。今年も解決出来なかった。

けふもまたこころの鉦をうち鳴し
うち鳴しつつあくがれて行く
空高み月のほとりのしら鷺の
うき雲の影いまだ散らなく
(以下略)