第五科 書

岩永栖邨いわなが せいそん

会員

秋風

かな 70×230

作家のことば

 秋風の爽やかさを願い、前半は細身で伸びやかな書き方を試みた。後半では作品の盛り上がりを狙い、含墨して香紙切風の奔放な動きを意識して書いてみたが、仕上げの最後まで前半部と後半分とのバランスに悩んだ。

秋風は吹き結べども白露の
乱れておかぬ草の葉ぞなき
朝ぼらけ荻の上葉の露見れば
ややはだ寒し秋の初風
(以下略)