第五科 書

木村通子きむら みちこ

会員・審査員

松虫

かな 70×238

作家のことば

 後撰和歌集より、和歌四首を題材とした大字仮名作品。
 八尺の長さの中で、四首をどの様に表現するのか、文字の大小、余白、墨色の変化等に留意し、自然な流れと統一感のある作品を目指しました。
 静かな中に勁さをと、常に念じています。

松虫の初聲さそふ秋風は
音羽山より吹きそめにける
吹く風は色も見えねど冬くれば
ひとりぬる夜の身にぞしみける
(以下略)