第五科 書

吉澤劉石よしざわ りゅうせき

会員・審査員

瀬の音

かな 85×170

作家のことば

 今回も島木赤彦の歌を題材にし、自然界の美しい景色を脳裏に浮かべ、作品と一体化を夢見て景色観を大事に制作しました。線の変化、墨の変化、切断と連綿の美しい姿の変化等、古典に立脚しながらの表現を試みましたが、思い通りの表現にはほど遠かったようです。

たえまなく鳥なきかはす松原に
足をとどめて心靜けき
谷川をへだてて物を言ひかはす
人聲あやし激つ瀨の音