第五科 書

竹内勢雲たけうち せいうん

会員

山の雨

漢字 70×234

作家のことば

 ここ数年調和体制作にあたり、光悦などの消息をモチーフに卒意の書が出来ればと願い制作している。調和体は、読みやすさが優先されるが読むよりまず見たくなる様な叙情性豊かな作を目指した。しかし、これらは卒意と真逆の行為である。いつの日か卒意の境地で幽玄な作できるようにと願っている。

日ごと夜毎いそぐが如く
赤く成りし紅葉の上に降る山の雨
閑かなる亡ぶる者の心にて
蜩一つ短くなけり