第五科 書

寺坂昌三てらさか まさみ

会員

静寂

かな 90×170

作家のことば

 大字仮名作品の楽しみ方の一つに、一本一本の線を味わうということがあります。今回は特に渇筆部の表現を意識しました。筆圧を加えたまま運筆した際の毛筆のねじれた激しさ荒々しさ。その対極となる繊細で優しく消えいるような情趣。作者としては細部まで鑑賞されるのは怖くもありますが、意をお汲み取り下されば幸いです。

足曳の山の夜ふけをまさやかに
岩つたふ清水したたるきこゆ