第五科 書

長井素軒ながい そけん

準会員・審査員

かな 90×160

作家のことば

 紙は「金紋中堂」を使用、2×6尺の紙を二等分して縦にして三枚組としています。この紙は難しいといわれておりましたが、実際書いてみると線が浮いてしまうので、筆遣いに苦労しました。又滲みが強いので、濃墨にして書いています。又、「かな」特有の渇筆の美しさを出すのにも苦労いたしました。

もろともにあはれと思へ山桜
花よりほかに知る人もなし
ひさかたの光のどけき春の日に
しづ心なく花の散るらむ