第五科 書

松村博峰まつむら はくほう

準会員

越台懐古

漢字 53×233

作家のことば

 明の文人徐渭の筆意に憧れての制作。袁宏道に「字林の俠客」と称えられた徐渭の書は、宋人への傾倒が根底にあります。自らの書評に「米芾の書は一種出塵、人の及び難き所なり」と絶賛する一方、その換骨奪胎ぶりたるや「形似を求めず生韻を求む」の如く、独自の精彩を放っています。己の無用なる執を撃破したい日々です。