第五科 書

川上鳴石かわかみ めいせき

特選

吉野川

かな 70×175

受賞理由

 たっぷりとした墨で大胆な動きの中にも絶妙な行の組み立てをし、曲線と直線の組み合わせの巧みさや、切断と連綿等の表現を加えた艶やかな作品は大字仮名の魅力を十分に感じさせてくれる作品である。

作家のことば

 近年、実朝公の「金槐和歌集」を書くことが多いが、吉野川のいくつかの滝の中でもより激しい滝のイメージを表現したく、墨量を多めに、また強さを出すために、普段とは違う短鋒のムジナの筆を使用しました。結果少し文字が大きくなったのではと反省している。

よしの川もみぢ葉ながる瀧の上のみふねの山に嵐ふくらし