米谷清和
会員
初夏と朝靄
182×227
作家のことば
目の前の川に、ざっと二百匹ちかく鯉が泳いでいる。その間にカワセミが横切って飛んでいった。窓から見える小自然な眺めが気に入って引っ越してから三十年になる。
武蔵野を細く流れる野川に来るダイサギ、チュウサギ、コサギは群れからはぐれたのだろうか少数羽ずつである。他にアオサギ、ゴイサギ、川鵜も少数、または単独である。鴨類はまだいてくれる。
住み始めて二、三年目に隣の緑地に水車公園を造るための飛び石を置き川底を浅くする工事で鯉がいなくなった。鳥たちも近くの調整池の改修工事が二年前から始まり早朝にしか見かけるこ