第一科 日本画

長谷川喜久はせがわ よしひさ

会員

流・白く

158×223

作家のことば

 夏の日、ブナ林を取材しようと志賀高原よりさらに奧へと足を伸ばす。緑色の空気に包まれた山道を歩きながら、さてどこで写生するかと迷っていたところ、ふと下を覗き込むとそこには水清らかな渓流が煌めいている。湿った土の坂を慎重に降りていき辿り着いた水辺には、倒木が不思議な動物のようなかたちで横たわっていた。