第二科 洋画

中山忠彦なかやま ただひこ

顧問

洋灯のある部屋

P100

作家のことば

 洋の東西を問わず、着衣の色彩は身分を表すものであった。紫はとりわけ高貴な色として貴ばれ、庶民は利用出来なかった。この衣裳は十九世紀の物で、その埒外であるが、肌色を美しく見せる色としてモードに多用されている。
 プルーストの『失われた時を求めて』にも、貴族社会の好みとして「モーヴ」が屢々登場している。