第二科 洋画

小灘一紀こなだ いっき

理事・審査員

石長姫と木花之佐久夜姫

F130

作家のことば

 石長姫と木花之佐久夜姫は表裏一体の女神である。父神は姉妹を邇邇芸命に嫁がすが、醜い石長姫を送り帰したと『古事記』は記す。美しく儚い桜に象徴される妹神に対し姉の石長姫は岩のような永遠の命と霊力をもち、植林・家畜の守護神として厚い信仰を受けている。私は大地に根ざし目に見えぬ祈りを通して未来を見つめるこの女神こそ美しく描きたいと思った。