第四科 工芸美術

特選

平野英史ひらの えいじ

hymnal(讃美歌の)

99×47×23

作家のことば

  題名のhymnalという言葉は「讃美歌の」という形容詞であり、ゴシック建築の教会の空気感をイメージしています。また、同時に映画やゲームなどに登場するロボットやドローンのような機械も造形のヒントにしました。人間のミッシングリンク(進化の謎)を題材にしたSF的な世界観を鑑賞者に感じてもらえたらと思います。
 技法は、鉄の板材を鍛金技術によって造形し、硝酸や塩化第二鉄などを調合した薬品によって酸化させています。酸化による錆で、金属らしくない未来の不思議な素材感を出しました。金色の部分は、光や生命感を表すために嵌め取り込んだ真鍮(銅を象嵌)したものです。