第五科 書

井茂圭洞いしげ けいどう

理事

速總別

90×175

作家のことば

 雑念を振り払い、心を虚にして古い中国製の赤い絹本に対峙し、毛筆の弾力を利用し筆芯を絞って強い線を書くように運筆しました。また文字の内外にある白さ、散らし書きによる形や大きさの異なった空白(要白)、行の左右移行による行間の交響などの相乗効果で静の世界である紙面に躍動感が生じるように願って制作しました。

〈釈文〉
天皇歌曰ひたまひしく
女鳥の我が王の織ろす機誰が料ろかも
高行くや速總別の御襲料雲雀は
天に翔る高行くや速總別鷦鷯取らさね