第五科 書

土橋靖子つちはし やすこ

監事

稗草

182×84

作家のことば

 余白を大胆にとりつつ、回腕大きく伸びやかに書きたいと念じましたが、そうとなると今度はなかなかコントロールが利きません。
 「生動感」と「バランス」、そして「線の充実」に腐心しました。
 「刻意」を超えた、どこか野趣を含んだ世界にあこがれますが、いよいよ書の道の深さを痛感するばかりです。

〈釈文〉
さ夜ふけに咲きてちるとふ稗草の
ひそやかにして秋さりぬらむ