第五科 書

高木厚人たかぎ あつひと

会員・審査員

なみもなく

70×211

作家のことば

 ここ数年、西行のうたを書いている。本年も三首を素材とし短編ドラマの定着を目指した。導入・展開・中央山場・転調・収束、その連なりの中で、線を響かせ奥行きを演出し、凜とした世界が現れるのを待った。今回は一つの試みとして七貂三羊の小筆を用いてみた。いまだに遠い目標への途上である。

〈釈文〉
なみもなくかぜをおさめししらかはの
きみのをりもやはなはちりけむ
(以下略)