第五科 書

永守蒼穹ながもり そうきゅう

会員

与謝蕪村の句

136×135.5

作家のことば

 人の好い飲んべぇで、過ぎるといささか酩酊不埒だが気の合う永の友の急逝、やり切れぬ中この句の酒呑童子が目に入る。
 もくもくの入道雲が朱に染まり、まるで下界を見下す景は大きく、彼にもそんな空気があったなぁ!
 羊の毛の大筆を大きく揮い、たっぷりの風情を醸したかった。
 優しかった友が、そこに居る。

〈釈文〉
雲の峰に肘する酒呑童子かな