第五科 書

綿引滔天わたひき とうてん

会員

明天通聖

7.5×6

作家のことば

 本年は小篆体を素材とした制作を心に決めていた。荘子、天道篇の語で、十数年来温めていた印文をようやく形にすることになった。
 整斉な態ゆえに画一的な表現とならぬよう、力の均衡に変化を求めたい。呉昌碩の意を参酌し、手足の伸展よりも、動きを抑えたある落ち着きをねらってみたが、未だ意を得ていない。