近藤浩乎
会員・審査員
楽しみ(は)
90×178
作家のことば
長期にわたるコロナ禍で、いかに日常の平凡な生活の中に心の安らぎや楽しみがあるかが解る昨今。それらを詠んだ幕末の歌人、橘曙覧の歌集『独楽吟』の中から、今小さいけれどとても大切な喜びとして心に響く二首を選び、全体での動きと調和を考えつつ、横披作品にした。
〈釈文〉
たのしみはそぞろ読みゆく書の中に
我とひとしき人をみし時
たのしみは三人の児どもすくすくと
大きくなれる姿みる時