第五科 書

伊藤仙游いとう せんゆう

会員

岐阜竹枝

72×230

作家のことば

 明末清初の書家王鐸の風韻を基礎に置き、鋼の丸鋼の如き剛性と柔らか味を併せ持つ線(強く柔らかい線)で書きたいと願っているが、今回はさらに重厚で雄然とした風格を求めた。
 大きなうねりを含んで滔々と流れる長良川を思い、日々繰り返される生命の営みの、自然で崇高な姿に思いを馳せたためである。

〈釈文〉
環郭皆山紫翠堆 夕陽人倚好樓臺
香魚欲上桃花落 三十六灣春水來