第五科 書

寺岡棠舟てらおか とうしゅう

会員

西行の歌

70×232

作家のことば

 新古今和歌集より秋の歌を十首選び、横額作品に制作いたしました。王朝の小字かなの優雅さを作品の根底におき、会場芸術として小字かなに必要な強さをどのように調和させたらよいか試行錯誤いたしました。構成はちらし書きと行書きの調和の中に余白の美も求め、黄色の料紙に負けないような思いで筆を運びましたが、反省のみです。

〈釈文〉
月すみてなぎたる海のおもてかな
雲の波さへ立ちもかからで
天の川名にながれたるかひありて
今宵の月はことにすみけり
(以下略)