第五科 書

特選

松村博峰まつむら はくほう

蘭亭集詩より

作家のことば

 米芾をひたすら探究するも、法に入って法の呪縛から逃れられない自分がいる一方、徐青藤には天成へと導いてくれる禁断の誘惑があります。そんな雅俗混淆の世界を往来しつつ、奥行きある墨気を目指して奮闘を重ねました。
 丑年に因み、羲之の下僚・孫綽の蘭亭詩。宇宙の大いなるを観るが如き作を求めましたが、汗顔の至りです。

〈釈文〉
鶯語吟脩竹 游鱗戲瀾濤
携筆落雲藻 微言剖纎毫