第一科 日本画

米谷清和よねたに きよかず

会員

長雨をうべなう

194×162

作家のことば

 この春はうんざりするほど雨が止むのを待った気がする。
 もはや異常とは言えなくなった地球規模の気象変動による自然災害、武漢から始まった新型コロナ感染はあれよあれよという間に世界中に拡がり社会の仕組み、行動を変え、日常生活を変え、人と人の距離感をも変えてしまった。そしてロシアのウクライナ侵攻、その長期化と緊迫する国際情勢、政情と経済の不確実性、予期できないそれらの出来事は混沌としている。
 そして文化と文明はどんなに困難な混迷の中でもそれぞれの現実をうべない、紡ぎ育みながら逞しく続いている。私はここ数年身近にある桜達に思いを寄せている。