石崎誠和
特選
震れる
182×227
受賞理由
鈍い金地にドローイングによって描かれる自然形象が微妙に流動し絡み合う。描かれるものと、描かざるものの狭間に生成するものを見事に観る者に感得させる画面を現出している。
作家のことば
一月の初旬、雪を被った木蓮とその硬い蕾は、ある日に少しだけ大きくなったような気がして、それを境に少しずつ、そしてある時に一気に膨らんで次々と綻んでいきます。そんな木蓮の変容が、筆墨による形象の描写と、岩絵具、墨、和紙の質感が交わる画面によって、私と画面との間に現れるように試みました。