第一科 日本画

鵜飼義丈うかい よしたけ

特選

共に泳ぐ。

182×227

受賞理由

 若冲や芦雪を想起させる古典美と、表面の複雑な処理によるモダンさが巧みに融合して、高い完成度を示す。装飾性と表現性をたたえつつ、巨鯨の生命力が封じられている。海の和合図と受け取った。赤の描線と微妙に照り映える黒が美しい。

作家のことば

 自らの意志で海を泳ぐ二頭。
 速さも違えば行先も違う二頭。
 たとえ狭い世界でも。
 たとえ短い時間でも。
 自分は自分、一は一。
 それでも、楽しい事も堪える事も皆知ってる二頭。
 それは我々の姿。
 海を迷い泳ぐ鯨の姿。