第一科 日本画

田中達也たなか たつや

特選

Wall ―構成と蓄積―

182×216

受賞理由

 実存する風景なのだろうか。幾重にも重ねて生まれた色面のリズムが心地良い。きっと作者が現実と非現実の狭間を行き来して巡り合った世界なのだろう。画面の破綻が魅力に変わり海老色と緑青の対比が美しい。

作家のことば

 壁というモチーフを借りて、自身が日本画を制作する上で大切にしているテーマである「構成と蓄積」を念頭に置き、作品と向き合った。
 画面の中で線や面を構成し、支持体となる紙を貼り、削ぎ、また重ね、絵具や箔を積み重ねる。この繰り返しそのものが自分の作品に命を与えてくれるような気がするのです。