児島新太郎
会員・審査員
月も見て
F130
作家のことば
絵を描く上でいつも心に留めているのは、パウル・クレーの言葉「 芸術とは見えているものを再現するのではなく、見えないものを見えるようにすること」という言葉。
俳句から立ち現れる情景や物語的なイメージには、目に見えないものを各々の心に浮かぶ姿や形として呼び起こす力が強いように思います。 俳句に託された、月の光のように静かな境地が紡がれて、時を超えた現在の情景と重なって見える。変わらない存在に心強さを感じます。
[月も見て我はこの世をかしく哉]千代女