永谷光隆
特選
命脈
F100
受賞理由
麻袋とジャガイモを配し、画面の中に的確に質感を追求。過ぎゆくものに対する深い哀愁が画面の中で展開され、確実に流れていく時間の重みを伝え、静寂な中に深い精神的な空間が表現された作品となっている。
作家のことば
ある日の午後、納屋の奥の暗闇で見つけたジャガイモ、わずかな光に向かい芽を伸ばし、わずかな湿気で根を張り、次の世代へと繫げる生命力、また、時代の進化により使用されず、錆び朽ちていく作業道具、この限りない刻の流れの中での一瞬の命を、私なりに表現しました。