第二科 洋画

樋口文子ひぐち ふみこ

特選

人形つかい’22

F100

受賞理由

 外国人の大道芸人が一生懸命に芸を披露する姿を通して、作者の制作に対する意気込みが感じられる。画面構成、力強い描写力は長年の努力による独自の表現となっている。内なるパワーが画面全体から感じられる秀作である。

作家のことば

 大都会の雑踏の中、異国の青年がヴァイオリンの曲に合わせ人形を操っている。その姿には放浪の自由と厳しさがある。立ち止まる人、通り過ぎる人あり。彼はどこからともなく現れ、何処へかと去り、我々に夢を与える。十五年程このテーマを続けているが、最近はどこか穏やかさを感じる。家庭を持ち定住した故の安泰であろうか。