第三科 彫刻

堀内有子ほりうち ありこ

会員

唄を忘れた金絲雀は

120×80×40

作家のことば

 唄を忘れた金(かなりや)糸(かなりや)雀(かなりや)は後の山に棄てましょか。いえいえそれはなりませぬ。唄を忘れた金絲雀は背戸の小藪に埋めましょか。いえいえそれはなりませぬ。唄を忘れた金絲雀は柳の鞭でぶちましょか。いえいえそれはかわいそう。
 唄を忘れた金絲雀は象牙の船に銀の櫂月夜の海に浮べれば忘れた唄をおもひだす。
 西條八十