第四科 工芸美術

伊藤裕司いとう ひろし

顧問

月の船

12.5×24×32

作家のことば

 このところ、制作のイメージは万葉集の歌の作意に拠るところが多い。今回は本体を手箱とし、以下一首。月見の宴でよまれた歌の思いを端的にデザインしてみた。
 「天の海に雲が波立ち、月の舟、星の林に漕ぎ穏る見ゆ」。波を色漆で塗り分け、天はパウア貝の破線切りを斜めに貼り並べて月を白蝶厚貝、舟を鉛で表現する。