第五科 書

内閣総理大臣賞

中村伸夫なかむら のぶお

会員・審査員

元好問詩句

96×167

受賞理由

 紀元前に用いられた古代文字を素材として、遒勁な趣きの中に軽妙な筆致を織り交ぜ、書は凍てついた音楽といわれる一回性を改めて認識させてくれる力作である。

作家のことば

 乱世の詩人元好問の詩句十字を、古代文字で揮毫した作品です。「我は夢む天河の飜りて、崩騰して雲雷を走らすを」。たっぷりと墨をふくませた柔らかな筆を、紙面の抵抗感を確かめつつ丁寧に運びました。筆の動きが速くなるところも、精彩ある表現をめざしました。

〈釈文〉我夢天河飜 崩騰走雲雷