第五科 書

師村妙石しむら みょうせき

会員

牧水の歌

14.6×8.4

作家のことば

 私は若山牧水と同じ宮崎県の出身で、幼少より牧水に親しんできた。牧水は、漢字と仮名で成り立つ三十一音に命を削っている。故に、牧水の歌とは厳粛に向き合わなければならないと思う。本作は、歌の意味を意識し、曲線と直線、虚線と実線を織り交ぜて表現した。読める篆刻への新たな挑戦である。

〈釈文〉かたはらに秋草の花かたるらく
ほろびしものはなつかしきかな