伊藤仙游
会員
櫻花
72×228
作家のことば
明末清初に活躍した書家王鐸の書風を基調に、運筆のリズムとそこから導かれる生命の躍動を何よりも大切に書き進めた。
今回は詩の中に観える「櫻花満開の山間地への憧憬」「溢れて弾み出す春の喜び」などを、筆の躍動と潤滑の変化により表現したいと試みた。筆線は鋼の丸鋼の如く、強くて折れない線を希求した。
〈釈文〉是雲是霧眼朦朧 樵路穿林一綫通
纔到溪橋忽驚却 全山埋在萬櫻中