第五科 書

吉澤劉石よしざわ りゅうせき

会員

渡鳥

85×169

作家のことば

 島木赤彦の歌を題材にし、自然界の美しい光景を連想しながら脳裏に浮かぶ景色観を作品の中に入れ込むことは出来ないものかとの思いで制作しました。線・墨・形・要白の四要素をもとに古筆感を持たせながら、変化と調和を求めてみましたが、十分ではなかったようです。

〈釈文〉山深き湖水の空の渡り鳥
群れて渡れど音こそなけれ
渡り鳥とほ行く空は雪しろき
山立ち竝び重なりあへり