第五科 書

寺岡棠舟てらおか とうしゅう

会員

西行の歌

71×230

作家のことば

 作品の素材は『山家集』から八首選歌し、横形式に書作しました。かなのもつ優美さ、線の艶やかさを表現出来るよう具引料紙を使ってみました。黄色の料紙に負けないようにと活力ある動的な線、重厚な線をとの思いが強まり、かな本来の流動美が欠け重い作品となり、道の遠きを実感するばかりです。

〈釈文〉嬉しきは君にあふべき契ありて
月に心の誘はれにけり
沖かけて八重の潮路を行く船は
ほのかにぞ聞く初雁のこゑ
(以下略)