第五科 書

平形精逸ひらかた せいいつ

準会員・審査員

傅玄詩

210×70

作家のことば

 水平・垂直を基軸とする篆書の構造性をふまえ、均斉美をそこなわない範囲で字形細部に微妙な変化の要素を加味した。またとかく単調になりやすい線質には蔵鋒に露鋒を混ぜ、遅速緩急等によって深化を図ったが不十分のようだ。
 なお、下方の「車」が傾いているのは、車軸の折れた甲骨文の字形を根拠にしている。

〈釈文〉雷隠隠 感妾心 傾耳清聽非車音