吉見靖子
準会員・審査員
旅人
70×227
作家のことば
新古今和歌集の歌六首を選歌し青色の紙を使用しました。文字の大小のバランス、墨の濃淡、紙面の空間などで、少しでも立体的な表現ができないか、文字数が多くても、爽やかな流れ、無理のない調和のとれた作品にしたいと願い制作しました。技術不足で、微妙な心の動きを作品の中に定着できず、また精進したいとの思いです。
〈釈文〉故郷に衣うつとはゆく雁や
旅の空にもなきてつぐらむ
夕されば萩の葉むけを吹く風に
事ぞともなく涙おちけり
(以下略)